2010年10月23日土曜日

【環球異見】人民元切り上げ問題

 世界第2位の経済大国に躍り出ようとしている中国に人民元切り上げを迫る声が米欧で強まっている。しかし、温家宝首相は14日「人民元の相場は過小評価されていない」と要求を一蹴(いっしゅう)。米議会では中国を為替操作国に認定するよう求める動きも出ているが、行きすぎた「摩擦」への懸念や中国の利益のため自主的に切り上げるべきだ?など、政治問 リネージュ2 rmt
題化することを避けるよう促す論調が目立つ。

 ▼環球時報(中国)

 ■対米批判避け軟着陸狙う?

 中国共産党の機関紙、人民日報の傘下にある国際情報紙、環球時報は19日付の1面で、「米中の為替論争が世界に影響」との見出しを掲げ、中国を為替操作国に認定するようオバマ政権に求めた米議会など欧米強硬派の動きを牽制(け
んせい)した。

 同紙は「米国は同盟国を引っ張って中国を孤立させようとしている」とも指摘し、連日のように人民元問題を大きく報じている。だが同紙を含む中国紙は総じて、事実関係を積み上げる記事を柱にすえるなど、為替論争では微妙に対米批判を避け、比較的冷静な論調に徹している。

 米中間の政治問題に発展することを懸念した胡錦
濤指導部の思惑を反映したとの見方や、対ドル相場の固定という金融危機への緊急対策を終わらせ、平常時の金融政策に戻す出口戦略を模索する中国人民銀行(中央銀行)など金融当局の意向を反映しているとの指摘もある。政治?経済の両面から、中国は人民元問題を軟着陸させようとしていると読み取れる。

 このほか同紙はハンツマン駐中国大使の発言や
日米欧など海外メディアの論調を細かく伝え、読者に国際的な視野に立った判断材料を与えるよう工夫をこらした。

 また同日付の中国有力経済紙、第一財経日報は、商務省などが輸出型の国内の12業界を対象に水面下で行っている人民元に関する調査で、4月27日までに結果が公表されると報じた。人民元相場が切り上げられた場合、経営的にどこまで
耐えられるかを測る「ストレステスト」と呼ばれる調査だという。

 中国は欧米からの元高圧力に屈したとの負のイメージを極力避けながら、米政府による為替操作国の認定を回避するギリギリの決断を迫られているようだ。(上海 河崎真澄)

 ▼フィナンシャル?タイムズ?アジア版(英国)

 ■「中国自身の利益」へ有効策

 
英紙フィナンシャル?タイムズ?アジア版は15日付の社説で、中国で再びインフレ懸念が高まっていると指摘、それを回避するには人民元切り上げが有効であり、「中国自身の利益」になると説いた。

 社説はまず、中国経済の現状について、2008年秋のリーマン?ショック以前の状況に似ていると分析。金融危機の影響を避けるために政府が行ってきた金
融緩和?景気刺激策の結果、「資産バブルの兆候が至る所に見られ、物価上昇が一般国民の生活を脅かしつつある」と警告する。

 社説は、中国当局の経済運営を「成長と物価のバランスを取るのに長けている」と評価してもいる。ただ、今年に入って実施されている不動産市場への資金流入抑制などの措置は、インフレ回避には「もはや十分ではない」という


 社説が挙げる理由は2つ。ひとつは、すでに市場に過剰な資金が出回っていること。もうひとつはより構造的な問題で、人口の高齢化に伴って「無限に続くかのように思われた若くて安い労働力の供給が終わりを迎えようとして」おり、将来的な賃金上昇は避けられないことだ。

 こうした状況で中国はどうすべきか? 社説はこう問いかけた上
で、短期的には利上げによる金融引き締めを図り、長期的には人民元の切り上げを断行すべきだと主張する。

 米国からの人民元切り上げ要求に中国当局が反発していることについては、「中国は、ワシントンを喜ばせるために通貨切り上げを行う必要はない」と言明。「(切り上げは)万能薬ではないものの、輸入品が安くなることでインフレとの戦いの助
けになる」と、中国自身のために、緩やかな切り上げが必要だと諭している。(大内清)

 ▼ウォールストリート?ジャーナル(米国)

 ■対中貿易戦争へ「スケープゴート」 

 「米中の政治家は旧弊の通貨戦争に熱中しているようだが、米国のほうが中国よりも悪い」。米紙ウォールストリート?ジャーナルは18日付の社説で、米側に
あえて苦言を呈した。米中摩擦が過熱すれば「暗黒の通貨保護主義の時代」に戻りかねないというのだ。

 ドルに対して割安な人民元相場に対し、オバマ大統領は「市場本位の為替相場」の適用を求め、米議会は、相場を是正しなければ、中国輸入品に制裁関税を課すよう迫っている。しかし、社説は米国の支配層の主張は「金融政策の誤解に基づく」と指摘
する。

 社説は、中国はドルに自国通貨を固定させるほかの国と同様、ドルの供給源である米連邦準備制度理事会(FRB)に自国の金融政策の裁量を「外注」し、為替相場の安定を維持している、と分析。その狙いは、近隣国への輸出拡大よりも、「投資判断や貿易、資本流入の不安定性の回避」にあると指摘する。

 社説は「対中貿易赤字の多く
は、中国に生産を移す米企業内貿易によるものだ」とし、「中国が抵抗するのはもっともだ。大幅な切り上げは中国の成長を損なう」とまで言い切る。

 さらに、中国の通貨政策について、1980、90年代に「似たような圧力」を米国から受け、その後の急激な円高によって長期デフレの「失われた10年」に陥った日本の経験を学んでいる、とも指摘。
中国の問題は、むしろ他通貨との交換性の欠如と資本取引の管理にあり、米国は外交圧力を使って金融システムの自由化を迫るべきだと強調する。

 最後に社説は、人民元切り上げを米国の経済政策のごとく唱える有力エコノミストたちを「人民元をスケープゴートにし、中国との貿易戦争の危険にさらそうとしている」と批判した。(ワシントン 渡辺浩生


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引用元:SALE-RMT ゲーム通貨とWebMoney販売 買取 SALE-RMTは安心をあなたに

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